どんな仕事をするの?医療機器メーカー営業の仕事
これから転職して未経験から医療機器メーカーの営業を目指す方にとって、どんな仕事を実際に行うのかということは一番気になるところだと思います。今回は普段、我々がどういうことをしているかを紹介したいと思います。
私たちが日常的に行っていることは
- 手術の立ち会い(オペ立ち)
- 代理店(ディーラー)との関係構築
- セミナーや勉強会の計画と実施
- 顧客への情報提供
逆に、稀に行うことは
- 不具合製品の回収や情報提供
- 学会への参加
こんなところでしょうか。上で紹介したことを詳しく説明していきます。
手術の立ち会い
医療機器といってもいろんな製品があります。領域だけを挙げても両手じゃ足りません。ただし、多くの製品でオペ立ちは実施されています。
何のためにオペ立ちをしているかというと、自社製品が正しく使用されているかということと何かトラブルが発生したときにすぐに対応が可能なようにです。
先生たちは手術の腕はあっても、使用している医療機器についてすべてを知っているわけではありません。そこで、オペ中に何かあったときでもオペを止めずに続行できるような提案ができるようメーカーが立会いをします。
私の場合は業務時間の半分はオペ立ちをしています。とは言ってもずっと使っていただいている製品が多く、幸いトラブルもほとんど起きないので操作室(控室のような場所)で手術に入っていない先生や臨床工学技士(ME)、ディーラーと談笑していることがほとんどです。
製品を新しく採用してもらって最初のうちはほとんど立会いを行いますが慣れてきたらいかないことも多いです。
製品によってはオペ立ちが必須な病院もあります(ペースメーカー植込みなど)
製品によって頻度はマチマチですが、全くオペ立ちがない医療機器のほうが少ないとは思います。
代理店(ディーラー)との関係構築
代理店とはメーカーと病院をつなぐ役目で、ディーラーや卸と言われたりもします。
病院によっては先生ではなく出入りしているディーラーが製品を選定する力を持っていることもあります。
病院とディーラーとメーカーを図にするとこのような感じです。
各メーカーはディーラー・先生に製品を売り込みます。そしてディーラーが仕入れた製品の中から先生もしくはディーラーが最適な製品を選択し使用します。
メーカー間で製品差が大きければ選ぶのは簡単ですが、あまり変わらない製品の時にはディーラーと関係性が良いメーカーの製品が出やすくなることもあるので代理店との関係構築はないがしろにはできません。
セミナーや勉強会の計画と実施
皆さんも新しい製品やサービスを売り込むときにプレゼンや説明会を行うことがあるとおもいます。医療機器業界でも同じことが行われます。
勉強会を行う目的は様々ですが一番多いのは新しい製品が出たときです。先生や技師さんに新しい製品が出たことを伝え、勉強会の段取りをします。病院によってはお昼休みに実施するのでお弁当を準備する必要があります。
あとは、病院の外に連れ出して他の病院の著名な先生との交流の場を設けるためにセミナーを開催することもあります。これは医療機器よりも製薬(MR)のほうが多いですが最近では規制が厳しくMRもなかなか実施しにくいみたいです。
顧客への情報提供
これは営業活動の一環です。取り扱っている製品が他社製品より優れていると証明された論文が発表されたりしたら先生に紹介しにいったりします。オペで使用する機器は慣れているものが良いと言う先生も多いので、全ての先生が使用頻度が変わるわけではありません。
それでもオペをされる患者さんにとっては、有益な情報にもなりえるので伝えて損はありません。
次は日常業務とは別ですが稀に行わなければならないことです。
不具合製品の回収や情報提供
これは誰もしたくない最悪の業務です。
ひたすらに病院、ディーラーを謝罪まわりです。
医療機器なので患者さんの命に直結することもあるので迅速に周知することが大事です。
製品によっては新聞なんかにも載りますので、謝罪に行った時には知られていることが多いです。
学会への参加
これは全員が行くわけではありませんが扱っている製品の関連学会に参加したりします。
私の場合は全国的な大きな学会に年3~4回参加して最新の学術情報を学びます。
開催地は様々で、経費で全国のいろいろなところに行けることはメリットでしょうか。
ただし会社によっては聴講レポートを提出しなければならずあまりのんびりできないこともあります。
夜は先生を接待したり、同期と集まって飲み会をしたりと飲みに行くことがほとんどだと思います。
どうでしょうか、医療機器メーカー営業マンがどのような仕事をしているのかイメージできましたでしょうか。
いろいろなことを書きましたが、自分の仕事が誰かの役に立つ仕事であることは間違いありません。やりがいはあると思います。
皆さんもぜひ医療機器業界を目指してみませんか?